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拡縮とアンカーポイント

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拡縮と回転

エンティティを拡大・縮小して描画するには、scaleXscaleY プロパティを利用します。 また回転させるには angle プロパティを利用します。 (参考: エンティティの節 の表)

たとえば以下のように生成した Sprite は、 元のサイズよりも横方向に 2 倍、縦方向に 1.5 倍拡大してさらに 45 度回転した状態で描画されます。

javascript
var sprite = new g.Sprite({
  scene: scene, // シーン scene があるものとします
  src: scene.assets["player"], // アセットID "player" が画像アセットだとします
  x: 0,
  y: 0,
  scaleX: 2,
  scaleY: 1.5,
  angle: 45
});

scene.append(sprite);

画像アセット "player" が次のような画像の場合、

player.png

これは次のような表示になります。 画面左上端で拡大したので見切れています。

拡大・回転のゲーム画面

拡縮や回転角度は、生成後に同名のプロパティを通して変更することもできます。 (参考: アニメーションの節 の表)

javascript
// 縦横ともに等倍にする
sprite.scaleX = 1;
sprite.scaleY = 1;

// 回転角度を 0 度にする
sprite.angle = 0;

// 変更を反映
sprite.modified();

次のような表示になります。

拡大・回転を戻したゲーム画面

アンカーポイント

上の例でわかるように、エンティティの拡大・縮小・回転は、デフォルトではエンティティの中心を基準に行われます。 一方で、移動 (x, y) はエンティティの左上端を基準に行われます。

エンティティにアンカーポイントを指定することで、この両方を統一して設定できます。 アンカーポイントは anchorX, anchorY プロパティで与えることができます。 (akashic-engine@2.5.4 以降 (akashic-cli@1.7.28 以降))

javascript
var sprite = new g.Sprite({
  scene: scene,
  src: scene.assets["player"], // アセットID "player" が画像アセットだとします
  x: g.game.width, // g.game.width と height はゲーム画面の幅と高さです
  y: g.game.height,
  angle: 25,
  scaleX: 2.5,
  scaleY: 2.5,
  anchorX: 1.0, // 1.0 でエンティティの右端
  anchorY: 1.0 // 1.0 でエンティティの下端
});

scene.append(sprite); // シーン scene があるものとします

anchorX, anchorY0.0 がエンティティの左端・上端を、 1.0 がエンティティの右端・下端を表します。 この例ではどちらも 1.0 を与えているので、この Sprite は右下端を基準に配置され、次のような表示になります。

アンカーポイントを指定したゲーム画面

エンティティの X, Y 座標を画面右下端 (g.game.width, g.game.height) にしていますが、 基準がエンティティの右下端なので、ちょうど画面右下端に沿う位置に配置されます。 またエンティティ右下端を基準に拡大・回転されて、ゲーム画面から一部見切れています。

アンカーポイントもやはり生成後に変更することができます。

javascript
// アンカーポイントをエンティティ下端の中央にする
sprite.anchorX = 0.5;
sprite.anchorY = 1.0;

// わかりやすさのため回転をリセット
sprite.angle = 0;

// 変更を反映
sprite.modified();

これを実行すると次のような表示になります。

アンカーポイントを動かしたゲーム画面

anchorX, anchorY の初期値は undefined です。 初期値の場合、拡大・回転はエンティティ中心を、移動はエンティティの左上端を基準に行われます。 anchorX, anchorY は、どちらも数値であるか、どちらも undefined でなければなりません。

移動 (x, y) の原点と回転・拡縮 (scaleX, scaleY, angle) の原点がデフォルトで異なっているのは、 歴史的経緯によるものです。 検討中の Akashic Engine の次期メジャーバージョン (v3) ではこの挙動を廃し、 anchorX, anchorY いずれも初期値を 0.0 にすることを検討しています。 そのため回転や拡縮を行うエンティティは、アンカーポイントを明示的に指定しておくことを推奨します。